別れ際に椅子と杖を渡した。
星新一のショートショートに
こんな話があった。
宇宙船が未開の地に不時着した。
近くの村に住む人々が
怪我をした彼を助ける。
彼は回復し船を修理し 去る時に村長へ質問した。
お礼がしたい。
望みはあるか?
「世界を支配したい。」
村長の世界とは
この未開の地で
森を広げ村を豊かにしたい
と言う意味だった。
宇宙人は驚き
戸惑いながら椅子と杖を渡した。
椅子は小型の乗り物で
空を自在に飛び回れる。
村長は持ち前の運動神経で
操作を覚え空を舞うことが
出来るようになった。
杖はボタン一つで
森に道が出来るほど
強力な光線を放った。
操作を教えて
お礼を言って宇宙人は去った。
初めのうち村長は
近くを飛んで狩りをした。
数日後
かなり遠くまで飛んだ。
すると見慣れない 高い灰色の森がたくさんある。
村長はそれを邪悪なものと
判断した。
杖のボタンを押すと
一つの建物が跡形もなく
崩れ去った。
少しすると 金属の鳥がやってきた。
それも杖から出る光線で
全て落とした。
ますます
高い建物の森が不快に思え
村長は杖をそこに向け
スイッチを押し続けた。
こんなストーリーだった。
私達はジャングルに
住む人の生活はわからない。
たぶん彼らも私達の暮らしを
理解できないだろう。
もっと言えば隣に住む人の暮らしも
考えもわからない。
何が健全で何が邪悪なのか?
アメリカの銃の年間生産数は
約867万丁だという。
ロシアのヒット商品カラシニコフ銃は
約7000万丁。
他国によるライセンス生産分も含めると
既に約1億丁が造られたという。
素手で殴りあうほうが
健全なのかもしれないとまで
思えてしまう。
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